思い起こせば あれは恋だった。 思い出はいつだって・・・
今週のお題「卒業」
「じゃ、またね」
どこの小説の中のイケメンだよ。って、今思うと突っ込みたくなるようなセリフを残し別れた卒業式。
それが、最後の言葉となって、20年以上もずっと心にしこりを抱えることになるなんて想像すら出来なかった。
こんにちは、虹恋です。
あとから考えれば、あれは恋だった。
あとから考えれば、どうしてあの時勇気を出して「ありがとう」を言わなかったのか。
あとから考えれば、どうして・・・どうして・・・
時がたたないと気が付けない事もある。
このなんでもネットで真偽はともかく分かっちゃう中で、どうしても彼のその後が追えなくて。今でも私をとらえて離さない彼は、今、幸せだろうか。
彼とは中学校3年間同じクラスだっただけ。
それだけであって、それだけじゃない人。
思い起こせば小学校5年の時、同じクラスで仲良くしていた友達に 好きな人がいるといわれた人で。
特に色恋に興味のなかった当時の私は、他のクラスの彼を見に行くわけでもなく。バレンタイン、誕生日などプレゼントを受け取ってもらえなかったという悲しい報告と、彼のことが好きだって事を懇々と聞かされていた。
ついに卒業。
最後に写真を撮りたい!って言った彼女について初めて彼を見たあの日。
「へぇ~」っていうのが正直な感想。
写真を断った彼と、遠近法で写真を撮ってあげた。
迎えた4月。
クラス発表で目に飛び込んできた彼の名前。
小学校時代懇々と話しを聞いていたおかげで、一方的に知っている気がしていた私は彼に懐いて。3年間、いいクラスメイトだった。
毎日一緒に居すぎて、それが当たり前で気が付かなかった。
それに終わりがあるって事に。
同じ高校に行きたかったけど、少し学力が足りなくて別々の道。
卒業したら、この毎日がなくなることをどうしても受け入れられなくて。
「いつもと同じ」それが続くことを祈っての、
「いつも通りの挨拶」それが、「じゃ、またね」。
携帯もなかった当時のただのクラスメイトなんて、続きがあるはずもなく。
高校1年の夏に遠くの県に引っ越したって聞いて、初めて気づいた。
これが恋だったんだって。
甘酸っぱくて、恥ずかしくて。
当時からの友人や同級生に彼のその後を聞き出せないまま。
「あいつ今なにしてる?」の番組を見ながらいつも自分なら・・・と重ねるけれど、きっと一生人には言えない気持ち。
それこそ、こじれた恋心は形を変えて消えないまま。
それが、私 ということなんだろうな、きっと。
「じゃ、またね」
それが私の別れの言葉であり、始まりの言葉。
そこ、ここ、にありがちな甘酸っぱいお話。
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