そして今日も私は生きていく、バトンを受け取ったからだ。
朝が来て、バトンを受け取る。
いつもの朝が始まった。
早朝ランニングして、娘を起こして散歩に出る。
朝食を取って娘の勉強を見た後小学校へ出かけれれば、
簡単な家事の後仕事へ向かう。
昼が来て、夕方定時を過ぎて家に戻り、娘の一日を聞きながら夕食を取る。
お稽古ごとや宿題などお風呂まで駆け抜けて、
そして、布団に寝転がって言うのだ。
「また今日が終わるね」
夢の世界へ落ちるとき、その手からきっと地球の反対側に向かってバトンが抜け落ちていく。
朝が来る。
季節が巡って、命は生まれて死んで。
繰り返し。
繰り返し。
それなのに。
目が覚めた時、新鮮な空気を吸い空を見上げると、
まるで初めて出会う日のように感じるのはなぜだろう。
今日も同じ一日を過ごす事が分かっているのに、新しい一日だと感じるのは。
きっと同じように見えて同じでないからだ。
物事は全て少しずつ変化している。
その中で変わらないのは私の命の数だ。
命は一つ。
ひとつずつ。
私は小さいピースの一つ。
しかしこの世を作る大切なピースだ。
この世を作り上げているものは何かわからないけれど、運命だとか神だとか、そういうものが作り上げる作品を、ピースの一つにすぎない我々が奪い合ったりすべきじゃない。
Peace(平和)にピース(Vサイン)。